シリコンとシリコーン

 「シリコン」と「シリコーン」を区別なく使うことがありますが,両者は違う材料です。シリコン(Silicon)は,半導体ウェハ基板用の材料であり,シリコーン(Silicone)は樹脂の名前です。両者とも原料は,金属珪素であり,珪素は,地球上で酸素についで2番目に多い元素です。

 金属珪素は,半導体LSIに使用されるだけでなく,最近では太陽電池用として需要が急増し,シリコン不足が叫ばれていました。同様に,シリコーンもそのあおりを受け,金属珪素の価格が高騰しています。

 シリコーンは,金属珪素を粉砕し,塩化水素とメタノールから作られた塩化メチルと反応させて製造します。それを蒸留し,加水分解しポリマーにします。金属珪素の高騰に加え,メタノールの価格も上昇していることから,シリコーン主要メーカーは,価格の値上げを決断しました。

 太陽電池に関しては,シリコン使用量の少ない薄膜系太陽電池などの開発を加速化することになりました。太陽電池の種類別生産量では,結晶系が約90%を占めますが,今後,薄膜系の急増が続くと思われます。