平賀源内のエレキテル

平賀源内のエレキテルを作製した。学研の「大人の科学」マガジンの付録キットを使用して組み立てた。

その素材は,当時のものとは違うが,綿にポリ塩化ビニルの回転筒をこすりつけて,摩擦で静電気を発生させる。それを集電して蓄電板に電荷を蓄え,約3,000Vの電圧を発生させスパークするものだ。

源内は,南蛮渡来の奇機「エレキテル」をわずかな書物の情報から,ほぼ勘のみで復原したという。現存する源内製作のエレキテルは2台のみだ。

「江戸の電気学はエレキテルから始まった」と言われる。源内の開発を受け継いだ蘭学者の個人的研究により推し進められ,やがては藩や幕府主導の科学的研究へと移行する。

(「電子材料」2009年3月号編集後記より)