鯨ギャラリー(東京海洋大学水産資料館)

東京海洋大学水産資料館(港区港南)を訪れました。「鯨ギャラリー」には、セミクジラとコククジラの全身骨格標本が展示されています。セミクジラは、体長17.1m、体重は67.2トンに及び、完全な骨格標本としては世界最大級です。

特別調査捕鯨の下で、1961年8月にアラスカのコディアク島南岸沖で捕獲された計13頭の一頭(オス)です。頭骨の全長は、5.1m(体長の30%)に達し、上顎は細長く大きく上方に湾曲して本種の特徴がよく現れています。指骨は5列ありました。

展示のセミクジラには、右側に213枚、左側には217枚のクジラヒゲがあり、写真のヒゲは、右側のほぼ中央部より採集した1枚だそうです。板状部分の長さは2.34mあり,下側(口内の内側に相当する)には長い繊毛を備えています。

人間の爪とほぼ同様なケラチン質が主成分で,きわめて柔軟であったため,プラスチックが出現する以前には,欧米などでは婦人用のコルセットなどに重用されたそうです。また,わが国では,からくり人形のゼンマイや釣り竿の穂先に用いられました。